| ウイルスと細菌の違い | ||
| 天気予報でも、低気圧のうち台風と普通の低気圧と分けて考えますね。 同じように、病気もいろいろな観点から分類すると多くのことが理解でき、どのように対処したらよいかなどの作戦が立てやすくなります。 私の場合、診断・治療の過程でいつもほぼ決まった思考順序あります。それはこの病気の原因が感染症か、腫瘍性か、アレルギーによるものか、生活習慣病によるものか、単なる機能不全か…。 |
さらに感染症が最も合致していると思われたとき、ウイルス感染か、細菌感染か、その他まれなものによる感染かと考えていきます。 ウイルスによるものは、ほとんど根本的な治療がないため、対症療法を行います。体力を保たせ、合併症が出ていないか、細菌感染の合併がないかを確かめながら診療していきます。 細菌性と考えられれば細菌に侵されている臓器と細菌の種類を想定し、どんな種類の抗生物質が効くか、どんな投与法がよいか、手術を加えたほうが良いかを判断し治療を行います。 |
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| ウイルスと細菌は こんなに違う! | ||
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| ウイルス 細菌 | ||
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| 構造 アミノ酸とタンパク質 細胞そのもの 大きさ 50から100nm程度 1μm程度 病気 一過性のものが多いが 持続的に悪化をたどる 慢性となるのもある ことがある 白血球 低下あるいは正常が多い 上昇することが多い CRP 熱のわりには正常に近い 上昇することが多い 抗生物質 効果なし 効果あり |
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| ウイルスの対処法 | 細菌の対処法 | |||
| ウイルスは細菌よりもずっとずっと小さく(50から100nm程度)、やっと電子顕微鏡で見える大きさです。構造的には細胞生物とはいえず、DNAまたはRNAといったたくさんのアミノ酸とそれを包むタンパク質だけでできています。 ウイルス単独では生きていけず、絶えず人間などの生物の細胞内で増殖し、その後宿を替えてまた増殖をします。人間からすれば、ウイルスに細胞を貸してやったのに病気を引き起こすという、ほんとにふとどきものなのです。 病気を引き起こした場合、ウイルスを直接退治する薬は最近までほとんどありませんでした。しかし、ワトソンらによるDNA・RNAの解明や、切羽詰って世界中がエイズウイルス研究に力を注いでいる結果、よい治療薬が増えつつあります。 インフルエンザ・帯状疱疹・水ぼうそう・ウイルス性肝炎などには、私も抗ウイルス剤を日常よく使用しています。しかし数え切れないほどのウイルスに対抗できる状態にはまだ程遠く、カゼを引き起こすウイルスの場合が代表的です。 慰めは、カゼウイルスに感染しても一時的に我慢をすれば、新しい住みかを求めて、ウイルスは1週間以内程度で去っていってしまいます。まあ細菌による感染の方が表面的にはシツコイのです(ただし将来さらに研究が深まれば、ウイルスの方がシツコイという時代がくると私は信じていますが…)。 |
細菌はウイルスよりもずっと大きく、おもちゃ屋さんに売っている子供用顕微鏡でも観察できるくらいで1μm程度の大きさです。 構造的には生物の細胞とほぼ同じ構造で、いわゆる単細胞生物です。個々の細菌に適した環境(臓器・温度・湿度・酸度など)で増殖します。 すなわち病原菌は空気感染・経口感染・経皮感染などして人体に入り、弱っているところあるいは鼻汁・気管支分泌液・尿・血液などが停滞しているところで増殖し、局所的・全身的に悪さをし病気を引き起こします。 細菌感染とわかれば抗生物質治療が主になりますが、本当に使うべきか、どのように(飲み薬、点滴など)どの薬剤を使うかを決めます。効いているかを判断する日数は3−4日間、その間に軽快傾向を示さない場合、中止・変更・増量を考慮します。 抗生物質の使い方は医者によって作戦が異なることがあり、野球の監督采配と同じ感があります。今年の中日のように絶対的に勝利に持ち込めるコマがないとき大変苦慮しますが、それまでの使う側の経験・知識・センスを生かして粘り強く勝利に持ち込むのです。 |